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本記事は2024年8月23日時点のものとなります。車両価格等、変更前の情報も含まれますので、ご注意ください。

本日、テレビ朝日の「グッド!モーニング」で当社のmibotを取り上げていただきました。これを機に、mibotに初めて興味を持たれた方も多いかと思います。

1人乗りEV「mibot」予約開始 「原付」分類で車検いらずコスト減 価格は100万円【知っておきたい!】【グッド!モーニング】(2024年8月23日)

※価格改定を実施しております。詳細はmibotページをご確認ください。

私たちは、維持コストや環境負荷が低い小型モビリティロボットを通じて、 持続可能な移動を実現するという使命を持っています。
この使命の実現により「誰もが、安全に、快適に、手頃な価格で自由に移動できる世界」が実現し、今日より明日が良くなる未来を創ります。

mibotは、第1種原付ミニカー規格に属する車両で、聞きなれない規格であることから、説明が必要かと思います。また、本日2024年8月23日21時より開始する、予約に関するルールも重要ですので、新規のお客様に向けて、予約に際して知っておくべきポイントを以下にまとめました。

mibotについて

第1種原付ミニカー規格

第1種原付ミニカー規格であるmibotは、通常の自動車とは異なる手軽さと利便性があります。

車両規格上は原付として扱われ、車検や車庫証明が不要なため、維持管理が非常に簡単です。一方で、運転ルールは自動車と同様で、普通自動車免許(AT限定可)が必要。二段階右折の必要がなく、ヘルメットの着用義務もありません。最高速度は60km/hですが、高速道路や自動車専用道路を走行することはできません。

参考:【原付ミニカー規格とは】必要な免許や最高時速、細かなルールやメリットを紹介

 

一人乗りの小型EV

mibotスペック

mibotは一人乗り専用で、1回の充電で100km(30km/h定地走行テスト値)走行できる短距離移動に最適な設計です。小型で軽量なため、限られた駐車スペースでも容易に駐車が可能です。また、原付ミニカー規格は法規により一人乗りと定められており、そのため二人乗りの予定はありません。

参考:製品仕様/スペック詳細

 

快適な乗り心地

楽しく快適でワクワクする移動​

mibotは、快適な乗り心地を追求して設計されています。ドアやエアコンが標準装備されており、天候に左右されることなく快適に移動が可能です。

衝突安全性については、法規上原付ミニカー規格には要求されていませんが、小型でありながらも高い安全性を確保するため、独自に衝突テストを実施しています。具体的には、速度40km/hでコンクリートバリアに衝突した際に、十分な室内空間を確保し、乗員のダメージを軽減することを目標としています。

 

持続可能な移動手段

持続可能な移動手段

mibotは、経済的で環境に優しいモビリティです。燃費が良く、維持コストが低いため、日常の移動を経済的に行うことができます。また、小型で軽量な設計によりエネルギー効率が高く、環境への負荷も最小限に抑えられています。mibotの普及により、持続可能な移動の実現にも貢献することを目指しています。

 

将来の展望

将来の展望として、自動運転機能の開発を進めています。これにより、免許を持たない人でもmibotを利用できるようになることを目指しています。また、購入した車両を貸し出せるシェアリングサービスの展開も計画しており、より多くの人々が手軽にmibotを利用できるようにする予定です。KGモーターズのビジョンは、誰もが安全に、快適に、手頃な価格で自由に移動できる世界を創り、今日よりも良い明日を実現することです。世界を変える小型モビリティロボットとして開発していきます。

 

予約について

予約と本申込

本日8月23日21時から開始するのは予約受付となります。予約時には3万円(税込)の予約金をお支払いいただきますが、これは車両価格の一部として充当されます。

予約をされたお客様は、以下フローでご購入のご案内をいたします。

  1. 車体番号の通知
    納車予定の約2ヶ月前に、車体番号が確定したことをお知らせします。
  2. 納車場所の最終確認
    納車場所の確認を行い、納車の詳細を調整します。
  3. 残額の見積書と請求書の通知
    納車にかかる費用を含めた最終金額の見積書と請求書をお送りします。この時点で購入規約も同時にお送りします。
  4. 購入規約の承諾・お支払い手続き
    購入規約に同意いただき、残りの金額を支払い通知が届いてから21日以内に、銀行振込またはローンでお支払いください。規約に同意されない場合、予約は失効となります。
  5. 入金確認
    ご入金が確認され次第、具体的な納車日をご案内いたします。

予約のメリット

早期に予約を行うことで、納車の順番が優先されます。2025年度に生産されるmibotは300台限定、2026年度には3,000台限定となっていますので、早めの予約をおすすめいたします。

※2025年の優先納車エリア納車となる300台は予約終了しております。

参考記事
◾️ 優先エリア(広島・東京)初年度生産300台の予約受注を終了いたしました

優先納車エリアについて

予約はすべてのお客様にお申し込みいただけますが、2025年度に生産される300台は、優先納車エリアである東京都および広島県(離島を除く)にお住まいのお客様への納車が優先されます。それ以外の地域のお客様には、2026年度以降に順次納車を予定しております。

納車の具体的な日程は、納車予定日の2ヶ月前にメールでお知らせいたします。その後、残金のお支払いが完了次第、納車日が確定します。また、納車場所は指定された拠点での受け取りとなりますので、ご了承ください。

キャンセルポリシー

予約金は返金不可となっております。正式な売買契約に進まない選択をすることは可能ですが、予約金の返金はいたしかねますので、ご注意ください。慎重にご判断いただきますようお願いいたします。

その他の注意事項

mibotの仕様やサポート情報は現在も検討段階にあり、今後変更が生じる可能性があります。最新の情報は随時ブログや公式サイトでお知らせいたしますので、定期的にご確認ください。

mibotの予約に関するご不明点や詳細については、FAQページをご覧いただくか、お問い合わせフォームからご連絡ください。

参考:予約に関する詳細ページ

 

ありがたいことにテレビ放送後、たくさんの反響が公式の問い合わせやSNS上で寄せられております。

mibotはまだ開発中のため、仕様など発表できることに限りがある部分もございますが、可能な限り情報開示していきたいと思いますので、気になる方はニュースレターを登録してお待ちください。

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KGモーターズの小型モビリティロボット「mibot」開発プロジェクトの裏側を追う独自メディア【KGマガジン】、編集長の野本です! さて今回のテーマはmibotが切り開く未来について。7月に開催された広島T-SITEでの車体展示イベントでは、3日間で本当にたくさんの方々にmibotを見てもらうことができた。実車を見て、触れてもらいつつ、興味を持って頂いた方と話をしながら改めて感じたのはmibotが新しい移動手段の提案でありながら、未来の街を創るキッカケになるのだという期待感だった。

mibotはクルマなのか?
いや、mibotは遠くない未来の新しいモビリティである

広島T-SITEでの展示イベントに、KGマガジンの取材を兼ねてスタッフとして参加した。案内スタッフとしてmibotの傍に立ち、来場者の質問に答えたり、ステッカーを手渡す。当初の目論見では案内スタッフとして動きながらも会場雰囲気の撮影など取材している余裕ぐらいあるだろう、という目論見だった。ところがフタを開けてみればテンヤワンヤで、1日中来場者の皆様の対応に追われっぱなしという大盛況ぶり。mibotの注目度の高さには本当に驚いた。

展示イベントではユーチューブで製作プロジェクトの推移を見守ってくれていた視聴者だけでなく、人だかりにつられて立ち寄った方まで様々な人がmibotを覗き込んでいく。事前情報がある/ないの違いはあるが、ほとんどの人がmibotの可愛らしい見た目とサイズ感に好印象を抱いてくれたようだった。投げかけられる質問のなかでは、走行性能やバッテリーの充電時間などスペック的な要素に次いで「一人しか乗れないの?」と「エアバッグや衝突被害軽減ブレーキはないの?」という質問が多かった。そんなときの説明は概ね以下のような感じ。

「mibotは原付ミニカー規格であり、「3輪以上の原動機付自転車」という50ccのスクーターと同じ区分なので一人しか乗れません。先進安全機能についてはコスト抑制の観点で付けていませんが、いずれ自動運転技術を搭載することで危険回避機能を備えていく予定です」と。この説明で基本的には納得してもらえる。さらに、

「毎日の通勤やスーパーへのお買い物。大抵、“家の近くを一人”ですよね? だったら本当は原付スクーターだって十分。でも安全性や利便性は不十分。だから原付バイクを4つのタイヤで安定性を高め、後部に荷物を載せられるラゲッジを確保した。さらにエアコンやシートヒーターで快適性も高めたのがmibotです。もっと遠くへ移動したい、家族や仲間と一緒に移動したい、そんなときは今あるクルマを使えばいいんです」と、ここまで続けると大体、質問してきたお客さんが自分なりの用途を話し始めるから面白い。

 

「軽自動車でも大きいから、これで近所に買い物行けたらラクよね」

「通勤用なら一人乗りで充分だよな」

「訪問介護してるけど、これなら介護者の家の前停めても近所迷惑にならないね」

「アンタ(一緒にいた息子さん)、大学行くのにコレで通えば?」

 

という具合である。やりとりのなかでは100万円という車体価格にも話題は及ぶ。「買い物用の軽自動車を乗り換えると思えば安いね」と全体としては好意的な意見が多いが、

 

「本当に100万円? 発売時点で値段上げたりしない?」

 

そんな質問も投げかけられる。その時はこちらの決意を堂々と語るのである。

「クルマよりも小さな、最小単位の移動手段という提案がmibot。その価値を実感してもらうには実際に乗って、多くの人に選ばれるという実績が必要。そのためにも税込100万円という価格は譲れないと思っている。だからこそ製造コスト抑制のために知恵を絞り、あえて機能を絞るという決断もしています」と。

 

「海外メーカーがもっと安いのを売り出してきたらどうするの?」

 

もっと安くしてほしいという思いや将来的な値下げを期待しての、こんな質問も少なくなかった。だが、すでに各方面でのコスト抑制を図ったうえでの100万円という価格であり、同時にmibotが目指している品質や性能を踏まえれば「安売りする必要性を感じていない」という正直な思いを伝えつつ、「外国メーカーの参入も含めて原付ミニカー規格のモビリティ分野が活性化するのは歓迎すべき」という思いから、会話の中身は【mibotが当たり前になった未来の街】について飛躍していくのであった。

 

“mibotが当たり前に走る街”を想像してみてください。
そう言うと、みんなが笑顔になった

 

2025年中の納車を目指し、開発を進めているmibotを実際に街で見かけるのはもう少し先のこと。でも実際に当たり前のようにmibotが街を走り始め、その存在が社会的に認知されるようになったら、例えば…スーパーの駐車場にはクルマ1台分のスペースにmibot3台分の専用駐車枠が用意され、幹線道路にはmibot専用レーンができてクルマと走行レーンを分けることでより安全性は高まって自動運転の実現も早まるかも知れない。集合住宅など充電インフラの整備が進めば、さらに多くの人が利用できる状況が生まれるはず。小型モビリティが誰にとっても有効な交通手段になる、そんな未来が来ると思います!

 

会話のなかで、そんなmibotが切り拓く未来の街について説明するときに大いに役立ったのが今回の展示イベントでも実車とともに飾ったカミガキヒロフミ氏による「mibotが走る未来の街」。そのポップなタッチと、遊び心ある“仕掛け”が散りばめられたイラストをみてもらうのだ。

 

 

↑IC4DESIGNカミガキヒロフミさんによる『mibotが走る未来の街』より。左)普通自動車1台分にmibot3台分が停められる専用駐車枠。右)mibotで悪路を走るオフロードカスタム仕様。

 

イラストを眺めながら、こんな未来の街で過ごす、自分らしいライフスタイルについても想像してもらう。天候に制限されることなく外出できる、行動の自由が手に入ること。通勤・通学時間が自分一人だけの空間を楽しむ時間になること。カスタマイズや趣味の道具として、遊びの題材としても活躍するツールになりうること、すると話を聞いてくれた人は十中八九、みんな笑顔になってくれるのである。

 

ひとしきり会話で盛り上がったお客さんたちは帰り際に「予約受付は8月だよね? 楽しみにしてるね!」と声を掛けてくれた。mibotという商品をアピールする立場でありながら、お客様との会話をしながら自分自身もmibotが走る未来に期待を膨らませていた展示会での出来事である。あのとき来場頂いた皆様、お待たせしました。遂にmibotの予約受付が8月23日(21時〜)に開始される。mibotが切り拓く未来はもうすぐそこです!

mibot 予約受付窓口(8月23日/21時受付開始)

 

取材・編集担当/野本和磨(nomo.chant.)                               元「デイトナ」副編集長。デイトナ誌面でKGモーターズの前身“くっすんガレージ”の活動を紹介してきた経験を元に「mibot」開発プロジェクトを紹介する案内役。KGマガジンの執筆をはじめ、デスクワークが中心の日々だが現在の椅子が合わないのか腰痛に悩まされる日々。写真は私ではなく、KGメンバーのわいざん。立ち寝ポジションでの仮眠ブースを試している様子。今、野本が求めているのはまさにこの姿勢。

KGモーターズ株式会社(代表取締役CEO:楠 一成、以下「KGモーターズ」)は、開発中の小型モビリティロボット「mibot」(※1)による持続可能な移動の実現に向けて、損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:石川 耕治、以下「損保ジャパン」)と、協業に関する覚書を締結しました。

※1 KGモーターズは「mibot」を小型モビリティロボット(一般的な呼称としては超小型EV)と位置づけています。本リリースでは、技術的な文脈に合わせ「超小型EV」という用語を使用しています。

1.背景・経緯

KGモーターズは、持続可能でエネルギー効率の高い移動手段となる「mibot」の製造販売、MaaS事業の展開を目指しています。また、損保ジャパンは、自社やグループ会社のソリューションを活用し、地域の交通課題解決に向けたシェアリングプラットフォームの提供や自動運転の実証実験などの取組みを通じて、MaaSの社会実装に向けた調査・研究、事業展開に取り組んでいます。両社が持つデータやノウハウを共有し、MaaS領域での超⼩型EVの実用性向上と安全運用を実現するため、協業に関する覚書を締結しました。

2.覚書の主な内容

(1)「mibot」活用による超小型EV向けのリスク把握のためのデータ蓄積と分析

(2)「mibot」を活用した超小型EVでのMaaS事業におけるユーザー安全性と事業運営リスクの検証

(3)「mibot」のMaaS事業の安定性確保を目指したバッテリー保証開発に向けたデータ蓄積と分析

(4)その他、関連領域でのデータとノウハウ共有によるシナジー

3.今後について

KGモーターズと損保ジャパンは、本覚書の締結を機に、連携を一層強化し、持続可能な移動の実現を目指して、各種共同検討を進めてまいります。

左)KGモーターズ株式会社 代表取締役CEO  楠 一成(くすのき かずなり)
右)損害保険ジャパン株式会社 広島支店長 穴山 将広(あなやま まさひろ)

mibotについて

mibotは、1人乗りの小型電気自動車で、持続可能な移動を実現するために生まれました。誰もが楽しく、安全で快適に、手頃な価格で自由に移動できる世界を実現し、「今日より明日が良くなる未来」を創ります。KGモーターズは、持続可能な移動を我慢して達成するのではなく、ワクワクして楽しみながら達成することを目指しています。

mibotの特徴

  • デザイン: レトロでどこか懐かしいデザインと、前後対称の近未来的なスタイルが特徴です。
  • 安全性: 小型で軽量ボディながら、独自の技術で高い安全基準を確保しています。
  • 快適性: ドア・エアコン付きで快適に利用できます。
  • 経済性: 維持コストが低く、日常の移動が経済的に負担なく楽しめます。
  • 環境性能: 小型で軽量のため、エネルギー効率が高く環境に優しいモビリティです。
  • 最大積載量:45kg
  • 航続距離(*1):100km
  • 登坂性能(*2):23%勾配(13°)
  • 最高速度:60km/h
  • 充電AC100V:5時間
  • 乗車定員:1名

(*1)30km/h定地走行テスト値
(*2)乗員の体重、積載物の重さ、路面状況、装備オプションにより変動

※開発時点での値となり、量産モデルでの仕様変更の可能性があります。

採用情報

KGモーターズでは、車体開発エンジニア、ソフトウェアエンジニアのほか、様々なポジションで採用を強化しております。一緒にミッションの実現に向けて取り組んでくれる仲間を募集しております。

https://kg-m.jp/recruitment/

KGモーターズのぽこみちです。

今回はKGモーターズ開発製造を進めているミニマムモビリティロボット「mibot」の設計メンバーの笹川さんから共有してもらったドア設計のちょっとマニアックな話を書こうと思います。

普段は意識しない部分かもしれませんが、こんな思考で設計してるのか!というのを知ってもらえると嬉しいです。

乗降性について

車に乗り降りするときに、皆さん普段自分がどのようなドアの操作をして乗り込んでいるかイメージできますか。ドアの中間ストップまで開けて乗る人もいるでしょうし、乗りこめる幅までドアが開いたら片手でドアを保持しながら乗る人もいると思います。

メーカーごとに色々事情があるんで一概には言えませんが、基本は車ごとに設計者の狙いがあります。市場で自分が担当した車の使われ方を見て、お客様が狙い通りに使ってくれていると思わずニヤりとしてしまうわけです。

mibotの乗降性とドア設計の考え方

では、「mibotはどうなっているか?」というとドアを中間ストップ位置まで開けて車に乗り込んでもらえるような設定にしたいと思っています。

軽自動車規格の駐車場をベースに検討することにして、駐車場中央に車を止めてドアを開けて乗り込む(ドアを中間ストップまで開けた)際に、ドアが駐車場の枠からはみ出ないことが目標です。

ちなみに、小型車は車幅的にこういった狙いは難しいので、乗り込みに必要な幅はどの程度かをベンチマークして目標値を決めたりします。ドアがどれだけ開く、どこで止まるという内容は乗降性に関連するパラメータになってくるんですが、他にもいろんなパラメータを調整して車ごと乗降性が作り込まれています。

いかに違和感なく乗り込んでもらえるかってすごく難しい課題です。

ドアは良い意味であまり印象に残らず使ってもらえるくらいの感じが良い車なのかな、と最近思ったりします。

 

KGの社内ではチームメンバーがSlackでこういった気軽な情報共有をしてくれることもあるので、車に詳しくない僕としてはシンプルに学びになりますし、設計者の思考がわかることでより車を作ることの難しさと楽しさを知ることができます。

かなり不定期更新にはなると思いますが、このようなちょっとしたネタ記事もお楽しみに。

平素よりmibotにご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。このたび、mibotの予約開始日程が以下の通り決定いたしました。

予約開始日時:2024年8月23日(金) 21時

先日、決済システムの不備により延期させていただきましたが、現在、改善に向け準備を進めております。ご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

予約に関する詳細は、こちらをご覧ください。

予約に関する詳細事項

皆様のご予約を心よりお待ちしております。

今後とも、mibotをよろしくお願い申し上げます。

平素よりmibotにご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

8月1日に予定しておりましたmibotの予約開始につきまして、予約システム準備の遅れにより延期することとなりました。公式サイト上で予約の中止をお知らせいたしましたが、続報が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

延期の経緯

予約システムの開発において、当初予定していた納品日から複数回にわたり遅れが発生しました。事前にテスト環境で決済の確認を行い、チーム一丸となって予約開始日に間に合わせるため努力を続けました。しかし、最終的な納品が予約開始予定日の当日となり、直前の本番環境で予期せぬ不具合が発生しました。このため、安全かつ円滑に予約を開始するために、延期を決定いたしました。

■KGモーターズ取締役 横山文洋コメント

mibotの予約開始を心待ちにしていただいていた皆様には、この度の延期によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。皆様の期待に応えるため、予約開始日に間に合わせようと全力で取り組んでまいりましたが、その思いが強かったために中止の判断がギリギリになってしまいました。心よりお詫び申し上げます。

現在、予約開始を実現するために、問題解決に向けた取り組みを進めております。信頼性の高いシステムを提供できるよう、引き続き改善に努めてまいります。

今後の対応

現在、社内と委託先の共同で新しいチームを組み、新たな担当者と共に開発を進めています。新チームの確認により、納品されたシステムが不完全で、改修に想定より時間がかかることがわかりました。具体的な予約開始日をお示しできる段階ではございませんが、まずは現状を皆様にお伝えするために、状況報告を優先しております。予約システムのテストを本日、8月5日(月)より開始する予定で、遅くとも8月9日(金)には今後のスケジュールをお知らせできる見込みです。予約開始の新しい日程が決まり次第、皆様にご案内いたします。

公式サイトリニューアルのお知らせ

この度、予約システムの完成に先駆けて、公式サイトをリニューアルいたしました。mibotの予約に関する手順なども記載しておりますので、予約開始までにぜひご覧いただければ幸いです。

mibot予約情報

今後の情報の確認方法

最新の情報は、当社の公式ウェブサイトおよびニュースレターにてお知らせいたします。また、SNSアカウントでも随時情報を更新いたしますので、ご確認いただけますようお願いいたします。

予約システムの準備にお時間をいただいていること、心よりお詫び申し上げます。mibotを楽しみにしていただいている皆様に、より良い体験をお届けできるよう全力を尽くしてまいりますので、引き続きご期待ください。

日本の車利用実態から考える

日本の車利用実態

現代の車利用は、実際には短距離での1人利用が大半を占めています。通勤やちょっとした買い物など、日常の移動において多くの人が車を1人で使用しているのが現状です。これは、現在の車の最小単位である軽自動車でも、その用途に対してオーバースペックであるといえます。このような状況は、効率的とは言えず、無駄なコストやエネルギー消費が発生しています。

オーバースペックな移動からの脱却

mibotコンセプト

そこで、利用実態に即した小型EVこそが、これからの未来には必要だと考えます。1人乗りの小型EVは、必要最小限の機能に絞り、コストと環境負荷を抑えることで、持続可能な移動手段としての役割を果たします。

これにより、移動手段としての持続可能性を高め、地域や社会全体のエネルギー効率を向上させることが可能です。持続可能な移動の実現は、これからの時代に求められる重要な課題であり、私たちの未来を形作る鍵となります。

ワクワクする移動の実現

しかし、持続可能な移動を実現するためには、単にコストが低く環境性能が高いだけでは十分ではありません。人々が「乗りたい!」と思えるようなワクワク感を提供することが不可欠です。デザインや乗り心地、運転する楽しさなど、さまざまな要素を組み合わせて、魅力的な体験を提供することが必要です。これにより、多くの人々に愛され、自然と普及する移動手段となることができると考えています。

KGモーターズの小型モビリティロボット「mibot(ミボット)」開発プロジェクトの裏側を追う独自メディア【KGマガジン】。本記事を読んでくれているアナタはきっとmibotに興味があるのだろう。すでに多くの人から興味・関心を集めるmibotである。皆を惹きつける、一番の要素は何だろうと考えれば、思いつくのはデザインだ。自分が購入する側の立場だったらと考えれば、価格や性能よりもまず見た目。そんな思いからmibotのデザインを担当するオーサン(仮名)に話を聞いてみた。

先端尖ってなくてもいいんだ…エンタープライズ号に学んだ、先入観をなくすことの大切さ

mibot開発プロジェクトには多くのメンバーが参加しているが、その中には本業の傍らKGモーターズのビジョンに共感し、副業として参加するメンバーも多い。mibotのデザインを担当するオーサンもその一人。国産自動車メーカー在籍時にはスポーツセダンやファミリーカーなど量産車やモーターショーに出展するショーカーを手掛けた実績を持つカーデザイナーで国内だけでなく海外からの依頼を多く、常に複数の案件を抱える人気デザイナーである。一方で最近はクルマだけに留まらず、仕事領域は拡大しているようで、そのあたりの話も実に興味深い。

オーサン:基本的にはカーデザイナーで、仕事としては9割方が乗り物です。飛行機と船以外はほぼ手掛けてきたので、言うなればタイヤがついた“車輪系”ですね。でも最近は自動車に限らず、電動スクーターから重機まで幅広いジャンルの依頼も来るようになっています。

案件に取り組む際はどんなコトを考えながらデザインを考えるのですか?

オーサン:クルマで例えるなら「買う人になりきる」ですよね。そのクルマに乗ってどんな場所に出掛けたいと思うかを考える。自分自身の趣向としては高級車にあまり興味はないけれど、どんなクルマだったら買うかな、どういう使い方だったらテンションが上がるのか、買う側の人間に立場を置き換えて考えてみますね。あとは実際にユーザーが行きそうなお店とか、スポットに実際に行ってみる。完全になりきることはできないかも知れないけど、体験することはできる訳だから。

例えば大型重機など、存在自体が身近ではないモノを制作する場合は?

オーサン:大きな乗り物のイメージから想像を膨らませます。例えば「これがロボットだとしたら…」と。パイロットになった気分でどんなモノなら乗りたいと思えるか?を考える。あくまでもアイデアを膨らませるキッカケとして間接的にガンダムのイメージを取り込んでみるとかはありますよ。といっても、僕自身はあんまりガンダム観てなかったんですけどね(笑)。どちらかと言えば『宇宙戦艦ヤマト』。松本零士さんの作品が好きだったので『宇宙海賊キャプテンハーロック』とか男臭いストーリーの作品のほうが好きでしたね。

幼少期に観ていたアニメ作品が今の仕事に活きている部分はありますか?

オーサン:子供の頃、友達はアニメならガンダム、映画ならスター・ウォーズが人気。でも僕はヤマトと『スター・トレック』に夢中でしたね。作品に登場するメカも好きだけど、そのストーリーに入り込んで楽しむタイプだったので…そういう意味では使う人になりきってデザインを考えるというやり方はあの頃から身に付いていたのかも知れません(笑)

あと僕は、先入観に囚われていると新しい発想は生まれないと考えているので、デザイン作業においては一旦、黄金比とかセオリーというものを崩して考えます。その「先入観をなくす」という習慣は、スター・トレックの宇宙船を見た時に学びましたね。それまで宇宙船と言えば、先端が尖った流線型で…という先入観に囚われていたけどエンタープライズ号(劇中に登場する宇宙船)の丸くて、棒がついているだけのような形を見せられた時に衝撃を受けたんですよね。「先端尖ってなくていいんだぁ」って(笑)。それでいて、その形にはきちんと裏付けがあってストーリーを追いかけていくと、なるほどな!と思わせてくれるんですよ。

「前後対称デザイン」は両刃の剣!?
“クルマっぽくない”ことで新たなトレンドを生む存在に。

「使う人になりきる」「先入観をなくす」。自分なりの極意を活かしてデザイン制作に取り組むなかで、小型モビリティロボットというKGモーターズからの依頼に対して、どのようなアプローチで挑んだのかを聞いてみようと思う。まずはKGモーターズ(くっすん)とはどういう繋がりでデザインを請け負うことに?

オーサン:くっすんがT-BOX(mibotの前身モデル)を作っているのをユーチューブで知って、オートサロンに出展されたのを見に行ったのがキッカケですね。オートサロンの現場ではくっすんと直接会うことは出来なかったけれど、後日連絡をもらって話を聞いてみればくっすんも以前から僕の事を知っていてくれたらしいです。その後、改めてmibot開発プロジェクトでの車体デザインを依頼されたという流れですね。

前後対称というデザインコンセプトはオーサンからの提案ですか?

オーサン:いえ。依頼を受けた時点で、すでにくっすんのなかでテーマがあって絵(ラフ)も作られていました。ただ正直に言えば僕のなかには「前後対称デザインのクルマ」は面白くないという思いがあって。過去に何度か取り組んだ経験もあるんですが難易度が高くて、諦めたような事もあったんです。だから、これは難題だなと思った。でも、コストを抑制する意図だったり、前後対称というキーワードに対するくっすんのこだわりは物凄く強い。その思いを共有する内にその期待に応えたい、デザイン的に成立させたいという一心で取り組んだ結果、意外と面白い、想像以上に納得のいく形になったと思いますね。

懐かしさを感じさせるレトロっぽさもデザイン的な特徴かと思いますが、一方でクルマっぽくない雰囲気もありますね。

オーサン:70〜80年代のプロダクトに影響受けている要素は強いので、ポラロイドカメラをモチーフとして取り入れようと考えたのは僕のアイデアです。ボディ色のメインカラーに黄色を使っているのも、80年代の元気が感じられるビタミンカラーを意識していて、当時の時代背景を感じさせる、愛くるしさと勢いがある感じも重要な要素ですね。それも含めて“クルマなんだけど、クルマっぽくない感じに仕上げたい”という点はくっすんとも考えは一致していました。

mibotは“クルマっぽくない”をテーマにデザインした、と?

オーサン:僕が若い頃に初代ウォークマンが発売された時、まだ当時の僕らに外に持ち出す音楽がなかったんですよ。好きなアーティストの楽曲をカセットテープで探すか、レコードからダビングするしかない。でも皆、ローラースケートを履いてヘッドホンをして街を歩く、それがカッコよくて。その行為がしたくてウォークマンを買ってもらった。だから当初はヘッドホンしているけど皆、音楽なんて聞いてなかったんですよ(笑) そこから本当に“外で音楽を聞く”という文化が成熟してきた。その過程を見てきたから、mibotもそんな、新しい文化を生み出す存在にしたい。最初からクルマ(移動手段)と思われるのではなくて、「何か面白そうだな、乗ってみたいな」とまず興味を持ってもらうことがワクワクすることに繋がると思うので、そう思わせる要素として前後対称デザインっていうのも効いてくるし、くっすんの差配というか、目の付けどころは正しいのだと思う。

最後に、デザイナー目線でのmibotの見所って何ですか?

オーサン:クルマっぽくないをテーマにデザインしながら…きちんとクルマになっているとこですね。前後対称でガラスも平面で動きを感じられない、ヘタすると置物みたいになりかねない。でも、その“動きそうにないものがちゃんと動く”と感じてもらうために、タイヤの配置場所を工夫したり、クルマとして成立させるという点はかなり吟味しましたね。オモチャっぽさや可愛らしさを残しつつ、でもプロダクトとしてはクルマなので。クルマ好きが見た時に不安や違和感を感じないようにクルマらしさをきちんと残せているというのが、カーデザイナーならではですよ(笑)

 

取材・編集担当/野本和磨(nomo.chant.)
元「デイトナ」副編集長。デイトナ誌面でKGモーターズの前身“くっすんガレージ”の活動を紹介してきた経験を元に「mibot」開発プロジェクトを紹介する案内役。KGマガジンの執筆とともに任されているmibotの車両展示イベントがいよいよ7月5日からスタート。準備や手配に追われながらも、内心ひさしぶりの広島出張で「広島つけ麺」を食べることで頭がいっぱい。こんなこと日々忙しい他のプロジェクトメンバーたちには口が裂けても言えない。

KGモーターズ株式会社(本社:広島県東広島市、代表取締役CEO:楠 一成、以下「KGモーターズ」)は、持続可能な移動の実現を目指して開発された小型モビリティロボット「mibot」の先行注文受付開始に向けた展示イベントを広島と東京で開催いたします。

広島展示イベント概要

  • 期間:7月5日(金) – 7月7日(日)
  • 時間:10:00 – 18:00
  • 場所:広島T-SITE 1号館1F プロムナード
  • 住所:〒733-0831 広島県広島市西区扇2丁目1-45

東京展示イベント概要

  • 期間:7月10日(水) – 8月31日(土)
  • 時間:10:00 – 20:00
  • 場所:蔦屋家電+
  • 住所:〒158-0094 東京都世田谷区玉川1丁目14-1 二子玉川ライズS.C. テラスマーケット 二子玉川 蔦屋家電1F

注文受付と量産について

  • 注文受付:2024年8月から「先行注文受付」として、公式サイトによるEC販売で行います。
  • 量産開始:2025年9月を予定しており、「先行注文」いただいたお客様から順次お届けします。

mibotについて

mibotは、1人乗りの小型電気自動車で、持続可能な移動を実現するために生まれました。誰もが楽しく、安全で快適に、手頃な価格で自由に移動できる世界を実現し、「今日より明日が良くなる未来」を創ります。KGモーターズは、持続可能な移動を我慢して達成するのではなく、ワクワクして楽しみながら達成することを目指しています。

mibotの特徴

  • デザイン:レトロでどこか懐かしいデザインと、前後対称の近未来的なスタイルが特徴です。
  • 安全性:小型で軽量ボディながら、独自の技術で高い安全基準を確保しています。
  • 快適性:ドア・エアコン付きで快適に利用できます。
  • 経済性:維持コストが低く、日常の移動が経済的に負担なく楽しめます。
  • 環境性能:小型で軽量のため、エネルギー効率が高く環境に優しいモビリティです。

  • 最大積載量:45kg
  • 航続距離(*1):100km
  • 登坂性能(*2):23%勾配(13°)
  • 最高速度:60km/h
  • 充電AC100V:5時間
  • 乗車定員:1名

(*1)30km/h定地走行テスト値
(*2)乗員の体重、積載物の重さ、路面状況、装備オプションにより変動
※開発時点での値となり、量産モデルでの仕様変更の可能性があります。

展示イベントでは、mibotの実車とともに、広島を代表するクリエイターIC4DESIGNのカミガキヒロフミさんによるイラスト「mibotが走る未来の街」も展示します。このイラストは、多様なモビリティが活気に溢れる街を描き、KGモーターズが目指す未来を表現しています。

ぜひご来場いただき、mibotの魅力を直接体感してください。私たちと一緒に、ワクワクしながら持続可能な移動を実現する未来を創りましょう。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

【採用情報】
車体開発エンジニア、ソフトウェアエンジニアのほか、様々なポジションで採用を強化しております。一緒にミッションの実現に向けて取り組んでくれる仲間を募集しております。
https://kg-m.jp/recruitment/

KGモーターズの小型モビリティロボット「mibot」開発プロジェクトの裏側を追う独自メディア【KGマガジン】。その記事制作を任されている私、野本が今月のテーマとして取り上げるのは、KGモーターズのユーチューブで公開され、反響を呼んだ動画『【衝撃】次世代ミニカー衝突試験に密着!』について。普段あまり目にする機会のない衝突試験の様子が、動画の中で詳しくレポートされているので、ぜひ御覧頂きたいのだが今回の記事では「なぜKGモーターズは衝突試験を行うのか?」について、記事にしてみたいと思う。

え!? 衝突試験やるの!? 難易度が高いからこそのチャレンジを楽しんでいる

(画像は ユーチューブチャンネル【KG Motors】くっすんガレージ モーターズ より/以下同)

 

まず大前提として自動車と異なり、原付ミニカー規格で新たなモビリティを製造するうえで衝突試験の認証基準はない。つまり検査結果がどうであれ、製品化に際して何ら制約もないのである。しかし、KGモーターズ代表の楠一成(くっすん)は本プロジェクト立ち上げ当初から衝突試験の実施を決めていたという。

―くっすん:安全性を担保するという意味で「それだけは譲れない」というレベルで、最初から決めていましたね。でも車体開発を担う人からすれば衝突基準がないことがミニカー規格で作る最大のメリットともいえるので最初に宣言したときにはみんな「なんでわざわざやるの?」という思いはあったはず(笑) ただ僕としては何よりも優先したいのが安全性。これまで小型モビリティが社会に普及してこなかった理由に、安全性に対する不安があったと考えていて、そこにmibotの開発に対してユーザーから寄せられた要望にも安全性に対する意見が多かったことで、やっぱりその考えは間違ってなかったと確信しましたね。

くっすんはプロジェクトの開始時点で衝突試験を念頭に置いていたというが実際の製作現場においてもその高いハードルは重くのしかかる。仮に衝突安全性を考慮せずに作ることができたなら、車体製作はもっと早く進んでいたはず。一方で、その困難に立ち向かうというチャレンジを楽しんでいるように見えるのも事実なのである。

―くっすん:小型モビリティにおいて衝突安全性を担保するというのが難易度の高いミッションであることはもちろん理解していた。でも厳しい制約がある中でその解決策を探って、ものすごい難易度の高いゲームに挑んでいるような楽しさを感じているのも事実です。ただ、僕自身は楽しんでいるけれど、車体開発リーダーである久保さんをはじめ、外部の協力先企業も含めて現場の技術者の皆さんが物凄く苦労して頑張ってくれていることには感謝しかない。それこそ本当に膨大な回数のシミュレーションを繰り返して、辿り着いたあの衝突試験だったので、試験当日の技術者の方々の緊張感は相当なもの。それが動画の中での久保さんの表情にも現れていますよね。それが、あの動画の一番の見所かもしれない(笑)。


メンバーが固唾を飲んで見守った衝突の瞬間。試験直後の久保さん(車体開発リーダー/写真中)の安堵した表情がプロジェクトの難易度を物語る。

mibotで最優先するのは安心・安全であること
一番の根底におく安全性への追求は終わらない

作り上げた車体に対する自信なのか、動画の中のくっすんはどこか衝突試験を楽しんでいるように見えた。でも当然ながら開発メンバー同様、試験に対しては不安も感じていたようである。無事に試験を終えてみての感想は?

―くっすん:今回の試験では主に2つのポイントについて検証すべき要素があって、1つは衝突の衝撃でも乗車空間が潰れることなく、「生存領域を確保することができるか?」。もう一つは衝突時に「潰れるべき部分がきちんと潰れるか?」。きちんと潰れることで衝撃吸収量を大きくすることができるか、ということ。潰れるところは潰れて衝撃を吸収しつつ、強度のあるフレームで人が乗る空間を守るというのが衝突安全性の基本的な考えで、その点は設計段階でのシミュレーションに近い結果が出せたので方向性が間違っていないという意味でポジティブに捉えてますね。

くっすんが言うように車体開発の面では今回の試験結果はポジティブなものであったようだ。ただ素人目には衝突の瞬間にダミー人形が車内で激しく動く映像を見て、「これは安心だ」と素直に思えない部分もあって…。

―くっすん:結果としてのネガティブな要素で言うと、そのダミー人形(=乗員)の動きが衝突の衝撃で身体が振られてハンドルに顔をぶつけてしまうとか、想定と違った。その点は改善したいと思うので今後の課題として取り組んでいくことになる。潰せるところはしっかり潰しきって、減速Gをもっと緩やかにしつつ衝撃エネルギーの吸収量を確保してあげれば乗員の動きも改善してくると思うので次の試験で重視すべきポイントはそこだな、と思ってますね。

先日、KGモーターズは正式名称とともに「mibot」は小型モビリティロボットであると発表した。“ロボット”と言われれば、単なるモビリティではなく自動運転技術やAI技術などの機能にも期待は高まるが作り手であるくっすんがmibotで一番重視しているのは何?

―くっすん:それは圧倒的に安全性。新しい移動手段として小型モビリティを提案しているのに例えば自分の家族が乗りたい、使いたいと言った時に「危ないから止めておけ」とは言いたくないですから。それは衝突安全性に限らず、出掛けた先でバッテリーに不具合が出て動けなくなるとか、乗り手が不安に感じてしまうような要素は極力無くしたい。安全や安心ということを根底に、何よりも優先するべきだと思っています。“楽しい”とか“ワクワク”っていうのは全部、安全であることが前提での話。

―くっすん:mibotが一人乗りの4輪ミニカーなのも安全性を重視したから。バイクの場合、乗員が剥き出しで2輪だから安定性にも欠ける。その点、4輪なら横転のリスクは減るし、キャビンに覆われることでの安心感を生むことができる。そのメリットこそが原付バイクとの違い。僕自身バイクも好きだし、軽快さとか爽快感とか2輪の魅力が失われることは重々承知の上で、それでも安全性を重視したモビリティを作りたいと思ったんですよね。

小型モビリティというカテゴリーの未来は
mibotの成功にかかっている

衝突試験に挑む理由としては、安全性に対するくっすんの強い思いがあることはよく理解できた。そして最後にくっすんが語ったのはmibotに留まらず、小型モビリティというカテゴリーの成熟に向けての強い決心だった。

―くっすん:自動車が進化するにつれて大型化してきた流れのなかで、この先はmibotをはじめ、小型モビリティが普及していくだろうと考える理由にも安全性が関係している。クルマのスピード領域が上がることに対応して、クラッシャブルゾーンを確保するために車体は大型化してきたけど、同時にADAS(先進運転支援システム)も実用化され、新型車には義務化され始めている。今後、自動運転技術も加わって“ぶつからないクルマ”へと進化すれば、「衝突するリスクがないなら小さくていい」という考えも生まれてくるはず。そもそもコストや扱いやすさの面では小さいほうがメリットも大きいわけで、衝突リスクのない世界では小型モビリティが中心になるのは間違いない。ただ、すべてが“ぶつからないクルマ”に置き換わるにはもう少し時間が必要で、その間に事故が起きて「小さいとやっぱり心配だ」と思われたら、この小型モビリティ普及の波を止めることにもなりかねない。mibotは小型モビリティのベンチマークであると同時に、その安全性の面での基準にならないといけない、それぐらいの覚悟で挑んでます!

近未来的なデザインやモビリティロボットとしての自動運転やAI機能などが注目されがちなmibotではあるけれど、その設計思想の土台にあるのは安全性能。今後、mibotの魅力を紹介したり、聞かれたときには「安心・安全であること」。これが最大の特徴であると答えようと思う。

 

取材・編集担当/野本和磨(nomo.chant.)
元「デイトナ」副編集長。デイトナ誌面でKGモーターズの前身“くっすんガレージ”の活動を紹介してきた経験を元に「mibot」開発プロジェクトを紹介する案内役。写真は6月某日のKGモーターズの取材の合間に参加したサムライジーンズのフットサル大会にて。わずか3分の出場時間なのに、酸素ボトルが手放せない体たらく。mibotを見習って今後の将来を見据えた“持続可能な体力”維持を心掛けようと決心した次第。