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小型モビリティロボット「mibot」開発プロジェクトに密着し、表向きなニュースリリースとはちょっと違うKGモーターズ内部で巻き起こるアレコレを紹介する独自メディア【KGマガジン】。今回は、受付開始から約1ヶ月で早くも予約台数1000台を突破したニュースに、プロジェクトメンバーとしては飛び上がるほど嬉しい気持ちとともに、同じく湧き上がる期待と不安についてを記事にしてみたい。

受付開始1ヶ月。予想を遥かに上回る
予約受注に感じる市場からの期待

先日、プレスリリースでも発表したとおり、8月23日に受付開始したmibotの予約はわずか3日間で300台を突破。勢いそのままに約1ヶ月で1000台に達した。開発プロジェクトに関わるメンバーの一人としては素直に嬉しく誇らしい気持ちになれる、間違いなくグッドニュースである。1000台突破から遡ること数日、広島T-SITEではmibot説明会を開催していた。今回はあえて予約者対象として参加者を絞っての開催となったが多くの方から事前申込があり、当日は広島県内だけでなく九州からも参加者が集まるなど大盛況となった。

筆者はKGマガジンの取材の傍ら、予約開始前から広島、東京・二子玉川で試作車両「T0.5」の展示イベントにも携わっており、イベント当日は現場で来場者の対応も行った。どちらの会場でも反響は大きく、特に7月上旬に広島T-SITEで行った展示イベントは市販車に近いカタチでの実車が始めて間近に見られる機会とあって多くのお客様が集まり、KGモーターズの存在を知る人も、そうではない人も広島発のスタートアップ企業が作る小型モビリティロボットに大きな期待を寄せてくれていることは実感できたものである。

ただ、その時点ではまだ予約開始前。興味を持ってくれた方でも「8月から予約受付開始です(納車は2025年秋)」と案内すると、少しトーンダウンする様子も感じられたものである。しかも開発途中でスペックも最終確定ではない。発売までまだ時間も掛かるという状況を考えれば致し方ない。予約が開始されてもすぐに伸びずに、詳細なスペックとともにボディカラーなど細部が確定するたびに少しずつ数が伸びてくれればいいと考えていたのに、この結果、もはや驚き以外の何物でもない。

今になって思えば、予約前に試乗機会がないと心配したのも杞憂に終わった。展示イベント中も「乗ってみたい」という意見は多く、予約するか否かを判断したいというユーザーに向けた試乗会の必要性はプロジェクトメンバー内からも上がっていた。ただ現実的に考えれば公道走行も可能な「T0.5」は現状1台のみ。それも動くとはいえ試作段階であることを考えれば不特定多数のユーザーに安心して乗ってもらう試乗会を実施するのは不可能だった。

仕様確定と工場整備、サービス体制の確立……
課題は山積みだが、このプロジェクトには浪漫がある

不確定要素も多い段階ながら、結果的にこれだけの予約を集められた理由は小型モビリティに対する期待の大きさに他ならない。予約の9割以上が通勤・通学や日々の買い物など個人利用を目的とした個人ユーザー。コストを抑え、コンパクトで乗りやすいという利便性を備えた小型モビリティを求める市場が確かに存在し、その規模も大きいことを実証したといえるだろう。同時に展示イベントでは営業回りや集配達など業務利用で活用したいという法人利用を前提とした質問も数多く、潜在的な小型モビリティ市場に対する期待値はさらに高まるばかりである。

しかし、予約数だけを見れば、順風満帆とも思えるプロジェクトだが、この先待ち構える課題や乗り越えなくてはならない壁など直面する課題を思い浮かべると浮かれてばかりはいられない。先日、知人がmibotプロジェクトを気に留め、1000台突破のニュースを我が事のように喜んでくれた。大手カー用品関連企業で役員を務め、自動車メーカーではないが自社企画での市販車開発・販売企画を主導した経験を持つその人は、KGモーターズにかつての自分を重ね合わせているようだった。

「でも問題はこれから。厳しい言い方をすれば“車体を作るまでは誰でもできる”。それを量産し、流通させていくことがどんなに大変か…。大きな企業でも難しいのだからスタートアップ企業なんて、なおさらだ」

業界の大先輩の言うとおり、KGモーターズがこれから取り組む課題は数多い。現在、候補地の絞り込みも終え、着実に準備が進められている新工場もそのひとつ。組立ラインのための設備投資だけでなく、作業員の人員確保など車体開発と同時進行で進めなくてはいけない案件も山積みだ。さらに車体購入後に、不具合が発生した場合の修理やメンテナンスを担う、外部協業企業とのサービスネットワークの構築も不可欠である。

車体そのものだけでなく、1ヶ月で1000台という需要に見合った生産拠点とmibotを安心して乗ってもらうためのサービス体制の構築と充実。それは小型モビリティ市場の醸成を担うリーディングカンパニーとしてKGモーターズに課せられた使命とも言える。浮かれている暇などないが、プロジェクトメンバーの誰一人として、そんな人間はいない。誰よりもプロジェクトを牽引するくっすん自身が「素直に喜んでいられない自分がいる」と、これからが本番だと気を引き締めている。

前述の知人は最後にこうも言っていた。

「KGモーターズには浪漫がある。今まで見てきた人たちより、ビジネス的な成功を目指すだけじゃなく、とにかくクルマが好きだという情熱が伝わる。だから応援したくなる」

1000台突破はあくまでもひとつの通過点。予約頂いた方だけでなく、mibotや小型モビリティという新しいカテゴリーに期待してくれる人たちのためにもKGモーターズのプロジェクトは歩みを止めることなく前進していくのみである。

9月中旬に広島T-SITEで行われた、mibot説明会の様子。予約申込者を対象に、車体に関する質問をくっすん自らが答えていくトークショー形式のイベントには数多くの参加者が集まった。

取材・編集担当/野本和磨(nomo.chant.)
元「デイトナ」副編集長。デイトナ誌面でKGモーターズの前身“くっすんガレージ”の活動を紹介してきた経験を元に「mibot」開発プロジェクトを紹介する案内役。編集部時代のこと、最初に広島T-SITEで開催した展示イベントは、カスタム軽トラにくっすんガレージのカスタムカブを載せての展示だった。気がつけばあれから何度、搬入と搬出を繰り返したのか。「ドアを勝手に開けるな!」と警備員のおじさんに怒鳴られたのも懐かしい思い出。今や、搬出入作業も経路もバッチリ把握している。さあ次はいつだ!?

KGモーターズ株式会社(代表取締役CEO:楠 一成、以下「KGモーターズ」)は、開発中の小型モビリティロボット「mibot」の予約台数が1,000台を突破したことを正式に発表いたします。予約受付開始から約1ヶ月、予想を上回るペースでの達成となり、個人向けモビリティ市場での高い需要を示しています。

1,000台突破の意味

mibotが作る新しい市場

mibotは、8月23日の予約開始から3日間で300台、約1カ月間で1,000台という予約台数を達成し、超小型モビリティ市場において大きな注目を集めています。また、予約時のアンケート調査では、約94%が個人利用を目的とした予約であることが明らかになりました。従来の小型モビリティ市場では法人向けが中心でしたが、mibotは個人利用が大多数を占めており、これまでの市場アプローチとは異なる新しい需要と価値を生み出しています。

法人ユーザーへの関心も高まる

現時点では個人ユーザーが中心ですが、法人からの問い合わせも増加しており、今後の展開では法人向けのアプローチも検討しています。mibotが提供する新しいモビリティの可能性がさらに広がることが期待されています。

呉市豊町御手洗 伝統的建造物群保存地区を走るmibot

mibotが支持される理由

今回の1,000台という早期予約達成は、mibotが多くの個人ユーザーに「ワクワク感」を提供した結果です。予約者を対象に実施したアンケートによると、最も多くの方がmibotを選んだ理由として挙げたのは「新しい乗り物にワクワクするから」でした(全体の約33.9%)。レトロで懐かしさを感じさせるデザインと先進的なコンセプトが、共感と感情的なつながりを生んでいます。 mibotの経済性や環境性能といった実用的な要素も、使い勝手を考慮したサイズ感とともに、多くの方々に評価されていますが、ユーザーが単にコストや性能だけでなく、「乗りたい」「体験したい」という感情的な魅力が、選ばれた最大の理由であることが明らかになりました。

出典:予約者を対象に実施した自社アンケート

今後の販売に関するお知らせ

予約台数1,000台突破という皆様の大きな期待に応え、いち早く滞りなく納車を開始するため、そして今後の更なる需要にお応えするためにも、今後の販売に関して以下をお知らせいたします。

価格の見直しについて

予想を上回るペースでの予約と、物価や原材料の高騰の影響を受け、2024年12月31日をもって価格の見直しを予定しています。12月31日までにご予約いただいた方には、現行価格(税込100万円)が適用されます。価格改定前にご予約を検討されている方へ、早めのご決断をお勧めいたします。

※価格改定を実施しております。詳細はmibotページをご確認ください。

売買契約の締結タイミングの変更について

ユーザーの皆様がより安心して検討いただけるよう、売買契約のタイミングを変更いたします。これまでは12月の仕様発表時点で正式な売買契約を結ぶ予定でしたが、今後は使用発表後も予約扱いを継続し、納車の約2か月前に車体番号が割り当てられたタイミングで正式な契約を行います。残金のお支払いもこのタイミングで行われます。

仕様発表について

mibotの仕様については、段階的に公開を行っており、最終的な一覧発表は2024年12月31日を予定しています。最新情報については公式サイトおよびニュースレターにて順次お知らせいたします。

ご支援いただいた皆様への感謝

mibotの1,000台突破は、応援してくださっている皆様のおかげです。最終仕様が確定していない段階にもかかわらず、信じてご予約いただいた皆様に心より感謝申し上げます。私たちKGモーターズは、今後も皆様の期待に応え、「小型モビリティロボットで持続可能な移動を実現する」というミッションに向けて邁進してまいります。

今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

海沿いの街を走るmibot

mibotについて

mibotは、1人乗りの小型電気自動車で、持続可能な移動を実現するために生まれました。誰もが楽しく、安全で快適に、手頃な価格で自由に移動できる世界を実現し、「今日より明日が良くなる未来」を創ります。KGモーターズは、持続可能な移動を我慢して達成するのではなく、ワクワクして楽しみながら達成することを目指しています。

mibotの特徴

  • デザイン:レトロでどこか懐かしいデザインと、前後対称の近未来的なスタイルが特徴です。
  • 安全性:小型で軽量ボディながら、独自の技術で高い安全基準を確保しています。
  • 快適性:ドア・エアコン付きで快適に利用できます。
  • 経済性:維持コストが低く、日常の移動が経済的に負担なく楽しめます。
  • 環境性能:小型で軽量のため、エネルギー効率が高く環境に優しいモビリティです。

最大積載量:45kg
航続距離(*1):100km
登坂性能(*2):23%勾配(13°)
最高速度:60km/h
充電AC100V:5時間
乗車定員:1名

(*1)30km/h定地走行テスト値
(*2)乗員の体重、積載物の重さ、路面状況、装備オプションにより変動
※開発時点での値となり、量産モデルでの仕様変更の可能性があります。

mibotの詳細ページはこちら

採用情報

KGモーターズでは、車体開発エンジニア、ソフトウェアエンジニアのほか、様々なポジションで採用を強化しております。一緒にミッションの実現に向けて取り組んでくれる仲間を募集しております。

採用ページはこちら

社名:KGモーターズ株式会社
本社所在地:広島県東広島市志和町七条椛坂 1698-1
代表取締役CEO:楠一成
事業内容: 小型モビリティロボットの製造・販売、MaaS事業
設立: 2022年7月

小型モビリティロボット「mibot」開発プロジェクトと追う独自メディア【KGマガジン】。

編集担当の野本は9月初頭に東広島市志和にあるKGモーターズ本拠地ガレージを訪れた。ユーチューブでの動画公開を本業としていた前身「くっすんガレージ」時代に何度か訪れたこともあるガレージだが、KGモーターズとなりmibot開発プロジェクトが本格始動してからは初訪問。懐かしさとともに世間からの注目を集める一大プロジェクトの最前線という緊張感を感じつつ、ゆっくりと足を踏み入れた。

絶対的存在“ボス”が君臨するガレージは
プロジェクト進行中は常にスクランブル体制

ガレージに足を踏み入れるや否や、土間コンクリートを蹴る乾いた足音を響かせながら疾走してくる雄のフレンチブルドッグ、BOSS(ボス)。

鼻息荒く近づいて部外者の立ち入りを拒むのかと思いきや、駆け寄って身体を撫でろとせがんでくる。来訪者には概ね愛嬌を振りまいてしまうので番犬としては頼りないが看板犬としてKGモーターズには欠かせない存在なのである。「相変わらず可愛いなぁ」とボスを撫でつつ、多少なりとも感じていた緊張感もすっかり消え失せたところで、改めて内部を見渡してるとガレージもボス同様、以前と変わらない穏やかな雰囲気で…というワケにはいかなかった。

デイトナ誌での連載取材のために定期的に訪れていた2021年頃は「オート三輪をカスタムする」という企画のためにボロボロのミゼットやマツダK360、EVコンバートの素材として中国製の小型EVピックアップなどの車両が多数並んでいた。それに加えて大型の工作機械が設置されているものの、充分な作業スペースは確保されるなど広さには余裕が感じられた。だが現在は自動運転機能搭載のための開発車両と、8月末まで東京・二子玉川の蔦屋家電+で展示されていた試作車「T0.5」、さらにその奥には試作車両用の部品・パーツが陳列されており、ガレージ内部はすでに手狭な様子。

そんなガレージで作業に追われているのがプロジェクトメンバー、ヤスマ(松井康真)とうじやん(氏本卓志)。

くっすんガレージ時代から車体制作での板金や塗装作業を担ってきたヤスマは、市販モデルの設計・開発のための試作車両だけでなく、展示用車両の組み立てや整備も行う。特に8月下旬から予約受付がスタートしており、今後のさらなるプロモーション施策のために試作車「T0.5」の整備に追われている。ちなみに“ボス”はヤスマの愛犬である。

ヤスマ:このガレージにあるのは主に試作車とか展示用車両で、その車体整備とか組み立て作業がメインですね。プロモーション動画の撮影用車両だったり、イベントで展示する車両だったり、市販モデルとは違うという前提ではあるにせよ、それ自体もきちんと安全に走れる、お客様に見てもらえるクオリティにする必要はあるので。予約受付も開始し、これからPR施策も決まってくるなかで突然、「@@日に展示車を!」という場合も出てくるので毎日が“スクランブル状態”ですね!

取材当日は東京から「T0.5」がガレージに戻った、まさにそのタイミング。戻って早々、約1週間後にプロモーション用に走行動画の撮影が決まったために、各部の点検と整備を進めなければならない。それまで取り組んでいた自動運転機能搭載のための車体開発を一旦、止めてT0.5の作業に取り掛かるのだ。もちろん車体開発も同時進行で進める。

別拠点で進む市販モデルの車体設計と並行しながら、既成部品で使える部品はないのか、専用設計での新規製作が必要なのか、組み立ててみての不具合はないのか、その洗い出しを行いながら、市販モデルの車体開発にフィードバックする。慌ただしく作業に追われるヤスマの姿に、メーカーとして「mibot」を開発することの難しさ、苦労を垣間見た。ただ同時にそのスクランブル状態=バタバタ感のある飾りっ気のない現場っぽさと、忙しいながらも充実感に溢れた表情に頼もしさを感じるのであった。

「お金よりも楽しいことがしたい」
老いも若きも、KGモーターズに集う者たちの想い

ヤスマとともにガレージで作業に勤しむ、うじやん。

自動車用樹脂部品メーカーを定年まで勤め上げた後に、たまたま近所のガレージで小型モビリティロボット開発に取り組むKGモーターズの存在を知った。部品開発の第一線で活躍してきた知識と経験を活かし、日々の作業に取り組んでいる。

うじやん:外観的には市販車に近いカタチが出来上がって、プロジェクトは着実に進んではいるけれど、難しい課題もたくさんある。でも、それも踏まえて“やりがい”は凄く感じますよね。定年した後、毎日やることが無くて運動不足のためにショッピングセンターの中をぐるぐるウォーキングしてたんですよ(笑)。だからユーチューブで存在を知った時にはコレだ!と思ってすぐに応募した。お金も大事だけど、何よりも楽しいことで人生を充実させたいもんね。

ガレージにはヤスマ、うじやんだけでなく若手も。タテミチ(立道壱太郎)はmibotの車両制御システム開発担当。ガレージ内のオフィススペースでPCに向かって作業に勤しむタテミチの隣にはKGモーターズと自動運転技術開発の共同研究を行う大阪大学の学生である佐々木くんもお手伝い。自動運転に欠かせない「LiDAR(ライダー)」での物体認識システムの構築作業に取り組んでいた。

タテミチ:大学卒業時点で大手企業への就職も決まっていたんですけど、卒論がまったく追い付かなくて。だったら(数年前から面識があった)KGモーターズに行こうって。KGは入社条件に卒論提出はなかったので(笑)。でも親以外、友だちとか自分の周りの人皆に「お前に大企業なんて無理だ」って言われてたし、実際にKGで正解だったなと思いますね!

ヤスマもうじやんも、タテミチも。年齢は違えどKGモーターズでのmibot開発に楽しんで取り組んでいる。楽しいからこその前向きな姿勢が、忙しいスケジュールのなかでも殺伐とした雰囲気にもならない要因なのである。

そんなKGモーターズの拠点、志和ガレージだが今年中には広島県内に構える新工場へ移転。いよいよ本格的な量産体制の構築に向けた作業が控えているが前述のとおり、日々の作業に追われるヤスマとうじやんは「もう引っ越しの準備もしなきゃいけないし、本当に大変ですよ!」と笑うのであった。

 

試作車の組み立てや展示車の整備など大忙しのヤスマとうじやん。車体開発につなげる現場目線からの情報共有が大事な役割。この日はmibotへのルーフキャリアの設置方法を検討中。市販モデル用のオプションパーツの開発企画も担うことになる。

タテミチはデスクでPCに向かってソフトウェアの開発作業中。mibotは車体制御のプログラムをPC上で操作・更新することが可能。いずれは自動運転システムの制御もプログラム更新で可能になる予定。仕事の合間に“ボスを撫でる”も業務に含まれる。

KGモーターズの本拠地である志和ガレージを任されているメンバー。左からうじやん、佐々木くん(インターンシップ)、ヤスマ、タテミチ。

取材・編集担当/野本和磨(nomo.chant.)

元「デイトナ」副編集長。デイトナ誌面でKGモーターズの前身“くっすんガレージ”の活動を紹介してきた経験を元に「mibot」開発プロジェクトを紹介する案内役。広島へ向かう山陽道を走る道中、白鳥PA付近で見かけた洋風の城。なんで洋風の城!?と思い、後日調べてみれば「太陽公園」というテーマパーク。城の他にも世界の“石の文化遺跡”を集めるなど、意外と興味深い場所だった。東京から広島へクルマで向かう際には山陽姫路西ICの手前、右手方面にご注目あれ。

 

7月10日から8月31日までの53日間、二子玉川の蔦屋家電+にてmibotの展示を行いました。KGモーターズとしては初となる1ヶ月を超える長期間の展示で、累計29,650人を超える非常に多くの方々にmibotを見て、知っていただくことが出来ました。ご来場くださった皆様に感謝申し上げます。

展示期間中、皆様から応援の言葉だけでなく、mibotの改善点や要望についてのなどたくさんの言葉を頂くことが出来ました。この展示で得られた情報や要望を積極的に開発にフィードバックし、より多くの皆様にワクワクして乗っていただけるモビリティを作ってまいります。

現在、mibotは予約受付中です。早期に予約をしていただいた順に納車させていただきますので、この展示でmibotに興味を持たれた方は是非、予約の申し込みをお待ちしています。

【予約ページ】

誰でもどこでも使えるモビリティを実現するために、登坂性能は重要なポイントの1つだと捉えています。

原付ミニカー規格は定格出力が0.6kWまでに制限されており、その中で急勾配を登れる登坂性能を実現するためには、さまざまな設計上の工夫や調整が必要になってきます。

現在、KGモーターズでは23%勾配でゼロ発進可能な登坂性能を目標にmibotを開発中です。

目標とする登坂性能達成のための工夫

十分な登坂性能を実現する為の設計上の工夫の一つとして、軽量化が挙げられます。mibotは、EPP(発泡ポリプロピレン)を外装や内装に使用しし、大幅な軽量化を実現しています。

また、モーター、インバーター、ギアボックスの最適な組み合わせやセッティングの調整が登坂性能を満たすのに重要とななります。

しかし、ただ登坂性能だけを考慮するのではなく、電費性能、最高速、加速等、他の動力性能とのバランスも重要です。定格0.6kW以下のモーターで十分な性能を達成するために、設計上のシミュレーションだけでなく、実際に複数のパターンのモーターやギアボックスを製作し試験をしております。

現在開発中のため正確な数値は発表できず、あくまでこのくらいの坂は登れるというイメージにはなってしまいますが、目標値である23%勾配のゼロ発進出来る登坂性能を達成できる見込みです。

KGモーターズは誰でも、どこでも使えるモビリティを実現する為に登坂性能を含め、さまざまな実車での試験を繰り返し、開発を進めています。

KGモーターズはいつ、どこで使っても快適な移動ができるよう、さまざまなテストを繰り返しながら車両の設計を行なっております。

mibotは、小さいながら開放的な室内空間を実現するため、天井にクリアな素材を採用しています。そうした中での懸念点は、夏の暑い日差しの元で快適な室内空間を維持できるかという点です。それに対して行っている対策や試験についてご紹介いたします。

mibotの日射テストの様子

天井に使用しているクリア素材については、紫外線を99%カットし、熱線吸収機能を有しているポリカーポネートを採用しております。これにより、車内に入ってくる熱の大幅カットが可能です。 また、オプションで設定予定のサンシェードを使用する事で更に熱をカットでき、より快適な車内空間が実現できます。

また、ただ熱を吸収する部品を採用するというだけではなく、実際の環境でその部品が機能するかどうかの試験も実施しております。実際の試験の様子をお届けいたします。

試験では、車体を恒温槽と呼ばれる日射を再現できる特殊な装置で高温に晒し、エアコンの効き具合を含め、各部品が正常に機能するか、快適性が維持できるかの評価をしております。

外気温は44度にもなり、まさに「太陽で息苦しくなる」ほどの高温の中、実際に乗車して車体の状況、車内の環境のチェックをします。

mibotの走行環境として考えられうる最悪の環境を再現し、ここでの試験結果を開発にフィードバックして部品の選定や設計の変更を行います。夏の強い日差しの元で、エアコンをしっかりと機能させつつ快適な車内空間を実現できるように開発を進めております。

日射テスト以外にもさまざまな環境、状況を想定した試験を行い、誰が、いつ、どこで使っても快適に使えるモビリティを目指して開発を進めてまいります。

mibotは一人乗りの短距離移動に最適な車体を実現するため、全長2490mm、全幅1130mm、全高1465mmという普通車に比べると非常にコンパクトなサイズとなっています。 そこで懸念されるのは急ハンドル時の安定性や横転リスクです。mibotの設計においてどのような対策や試験を行なっているのかをご紹介します。

mibotの重心を低くすることが重要

安定した車両を実現するには、重心を低くする事が重要なポイントの1つです。mibotはバッテリーの搭載位置を低くしたり、乗車位置を低くしたりすることで低重心になるような設計を行っています。

また、安定性には、重心だけでなく足回りの設計、タイヤの状況などが複雑に関係してきます。そのため、設計時のシミュレーションによる検証だけでなく、実車を使った走行試験も行っています。試験では、緊急回避を想定した急ハンドルを行い、安定した挙動をするか確認しています。

mibotの走行試験の様子

20km/h、25km/h、30km/hと徐々に速度を上げていくなかで、操縦の安定性に問題が無いことを確認しました。

急制動時の安定性に関する試験も行っています。ブレーキや足回りのセッティングの微調整を繰り返し安全に急制動出来るように試験を行なっています。

原付ミニカー規格には、操縦安定性に関連する法規上の試験項目はありませんが、誰でも安全に運転できるモビリティを実現させるために社内で基準を作り、満足できる車両を目指して試験、設計を行っています。

mibotをどんな状況でも長く使用いただけるように、耐久性を考慮した試験、設計を行っています。モーター、バッテリー、車体を含め、あらゆる構成部品について耐久性の試験を行なっていますが、この記事ではその一例をご紹介します。

mibotの段差テストの様子

耐久性を持たせた車体を設計する為に、段差テストという試験を実施しています。 この試験では、縁石に高いスピードで乗り上げたり、ぶつかったりするといった状況を想定し、60mmほどの段差に一定の速度で進入します。その際、車体のどの部分にどれほどの力が加わるかを歪みゲージというセンサーで測定します。

この試験で得られた数値を設計にフィードバックし、更なる耐久性試験をする事で、頑丈で耐久性のある車体を実現します。

バッテリーの耐久性についても考慮した設計・開発を行なっています。 バッテリーは、最適な環境で保管・充放電した場合、5,000サイクルを耐えられる設計となっております。これは、毎日1回充放電をした場合でも13年ほど持つ耐久性となります。 また、ECE-R100という基準に準拠するする耐久性能を目標に開発をしております。この基準は、バッテリー耐衝撃性、耐熱性、振動の耐久試験を含んでおり、この試験を通してバッテリーの耐久性を検証しております。

この他にも、さまざまな部品の耐久性試験を実施し、mibotに長くお乗りいただけるように開発を進めています。

mibotの購入を検討しているお客様からのよくある質問として、雪国でもちゃんと使えるのか、どのような寒冷地対策をしているのかという質問をいただくことがあります。 mibotを幅広い方々に乗っていただけるモビリティにするために、寒冷地対策はKGとしても特に重視して開発を進めております。この記事では、具体的にどのような寒冷地対策を行なっているのかをご紹介します。

なお、寒冷地での試験は今季のの冬に実施予定でございますので、現時点でお伝えできる情報には限りがございます。テストの状況を確認してからご購入を検討されたい方には、現時点ではご購入をお待ちいただいた方が良いかもしれません。その旨ご了承お願いいたします。

1. タイヤについて

mibotのタイヤサイズは、145/70R12を採用しております。こちらは軽自動車などでも採用されている一般的なサイズのもので、適合する市販のスタッドレスタイヤに交換していただくことが可能です。また、タイヤチェーンに関しては、駆動輪である後輪に装着が可能となっております。

2. 走行性について

よくある質問として、四輪駆動の仕様は出さないのかという質問を頂きます。四輪駆動については申し訳ありませんが、現在のところ開発予定はありません。ただ、動力の細かい制御が可能であるというEVの特性を活かして、雪国でも安定・安心して走行ができるスノーモードという走行モードを開発する予定です。

3. バッテリーについて

バッテリーは寒冷地での使用も考慮して、低温環境でも安定した充放電性能を発揮できるよう、バッテリーヒーターをを搭載して開発を進めています。

4. 寒冷地試験について

バッテリー、モーターをはじめ、車両が寒冷地でも安定して動作するように、寒冷地試験を実施します。具体的な試験結果は公表ができるようになり次第、公表する予定です。

この他にも、寒冷地も安心してmibotをお使いいただけるように、さまざまな試験を繰り返しながら開発を進めております。

いつもmibotをご支援いただき、誠にありがとうございます。

8月23日にスタートいたしましたmibotの先行予約ですが、おかげさまで開始からわずか3日間で300台を超えるご予約をいただくことができました。

こんなにも多くの皆さまにmibotを選んでいただけたこと、心から感謝申し上げます。

私たちが目指している「小型モビリティロボットで持続可能な移動を実現する」というミッションに、多くの方が共感してくださっていることを大変嬉しく思っております。

仕様の全てをまだ発表していない今の段階で、これほど多くのご予約をいただけたことに、深い感謝とともに、身が引き締まる思いです。今後も、皆さまのご期待にお応えできるよう、全力で開発と準備を進めてまいります。

予約は引き続き公式サイトで受け付けておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。今後の進捗や追加情報につきましても、こちらの公式サイトやニュースレターで随時お知らせしてまいりますので、ぜひご確認ください。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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