KGモーターズ株式会社(本社:広島県東広島市、代表取締役CEO:楠 一成、以下「KGモーターズ」)と国立大学法人大阪大学(本部:大阪府吹田市/総長:西尾章治郎、以下「大阪大学」)大学院基礎工学研究科 堀井 隆斗講師は、2024年4月9日に超小型モビリティ(以下「ミニマムモビリティ」)に特化した省電力かつ高効率な自動運転用データ収集システムと、ミニマムモビリティへの搭載を想定した自動運転手法の開発に係る共同研究契約を締結しました。
次世代チョイ乗りモビリティ「ミニマムモビリティ」
ミニマムモビリティは、1人乗りセンターポジションで走る楽しさを追求した小型の電気自動車です。80年代のポラロイドカメラをモチーフにレトロでありながら、近未来を感じさせる前後対称のデザインです。小型で軽量であるため環境性能に優れており、原付ミニカー規格で車検不要・税金も安くコスパも抜群です。楽しさ、気軽さ、エコを追求した次世代のチョイ乗りモビリティをコンセプトに開発しております。
原付ミニカー規格なので乗車定員は1名ですが、ドア・エアコン付きで快適な走行を提供します。AC100Vの家庭用コンセントで充電することができ、5時間の充電で航続距離としては100km走れます。また、ソフトウェアはOTAアップデートが可能、進化するモビリティを目指しています。
■スペック
全長:2,490mm
全幅:1,130mm
全高:1,465mm
最大積載量:45kg
航続距離(*1):100km
登坂性能(*2):23%勾配(13°)
最高速度:60km/h
充電AC100V:5時間
乗車定員:1名
(*1)30km/h定地走行テスト値
(*2)乗員の体重、積載物の重さ、路面状況、装備オプションにより変動
※開発時点での値となり、量産モデルでの仕様変更の可能性があります。
背景
現代社会では、交通手段の持続可能性がますます重要な課題となっています。特に人口減少が進む地域において、大量輸送に依存する公共交通システムの維持は困難になりつつあります。こうした状況において、KGモーターズは、持続可能でエネルギー効率の高い移動手段として、独自の超小型モビリティ「ミニマムモビリティ」の普及を目指しています。
今回の共同研究先である大阪大学の堀井隆斗講師は、これまで人の認知能力に基づいたマルチモーダル情報統合処理や生成AIをはじめとする機械学習技術を活用し、小型ロボットや家庭用サービスロボットを含む多数のロボットの自律化・知能化に関する研究に取り組んできました。今回の共同研究契約により、両者は、MaaS(Mobility as a Service)を通じたシェアリングや自動運転による新たな公共交通システムの構築を目指します。
今回の共同研究契約の締結は、ミニマムモビリティの自動運転化を加速させるためのものであり、未来の持続可能な交通の実現に向けた重要な一歩です。
共同研究の技術的概要
マルチモーダル情報統合
この技術は、単一のセンサ情報だけでなく、テキスト、画像、音声など複数のセンサ(感覚)情報を利用して統合処理する方法です。最近の大規模言語モデルの発展に伴い、多くのマルチモーダルAIが開発されています。堀井講師が所属するロボット学習グループでは、人間が五感を通じて外界や物体を知覚するように、ロボットに世界を認識させるためのマルチモーダル情報処理技術を長年研究しています。これにより、ロボットや自動運転車が複雑な環境情報をより効果的に処理し、適応することが可能になります。
基盤モデル
基盤モデルは、Transformerなどの大規模なアーキテクチャを利用して構築された、事前に学習されたモデルの総称です。これらのモデルは、大量のデータを使用して訓練され、多様なタスクに対応可能です。言語情報だけでなく、画像や音声情報、その他のセンサー情報への適用も進んでおり、自動運転車や家庭用サービスロボットなどのロボティクス分野で広く利用されています。この技術により、自動運転システムは、周囲の環境をより詳細に認識し、さまざまな運転状況に柔軟に対応できるようになります。
研究の具体的な目標
1.ミニマムモビリティに特化した省電力かつ高効率な自動運転用データ収集システムの開発
ミニマムモビリティでの自動運転の実現には、その経済的かつ物理的制約から安価かつ省電力なシステムによるマルチモーダルセンサ情報(カメラ画像やLiDARスキャナの情報)を効率的に収集することが必要となる。基盤モデルを利用した自動運転システムの実現を見据えつつ、ミニマムモビリティに特化したデータ収集システムの開発を進める。
2.ミニマムモビリティへの搭載を想定した自動運転手法の開発
目標1で開発したシステムによって収集したマルチモーダルセンサ情報と基盤モデルを用いることで、ミニマムモビリティによる自動運転を実現する。堀井講師の所属するロボット学習グループにて、これまで研究を進めてきたマルチモーダル情報統合と、遠隔操作情報を用いた模倣学習による家庭用サービスロボットの自律化技術を援用することで、基盤モデルを用いた自動運転手法の開発に取り組む。特に複数センサ情報と言語情報の統合によりレベル3、4の自動運転の実現を目指す。
期待される影響
この研究により、KGモーターズは超小型モビリティ自動運転市場における技術的リーダーシップを確立すると共に、持続可能な社会を実現するための基盤を築きます。また、大阪大学との緊密な連携により、最新の研究成果を実用化し、日本国内外でのモビリティ革新に寄与します。KGモーターズおよび国立大学法人大阪大学は、この共同研究を通じて、自動運転ミニマムモビリティの開発に向けて、確かな一歩を踏み出しました。今後の進展にご期待ください。
KGモーターズについて
KGモーターズは『小型モビリティで世界を「ワクワク」させる』をビジョンに、オリジナルの超小型モビリティの製造販売、Maa事業の展開を目指すスタートアップです。2018年にYouTube「【KG Motors】くっすんガレージ モーターズ」を開設し、3年でチャンネル登録25万人を達成し、Google Japanが選ぶ(世界に影響を与える)クリエイター101人に選ばれました。その影響力を持って、サプライヤー開拓やエンジニアなどの人材を獲得し、これらの準備期間を経て、本格的に小型モビリティ開発を進めるべく2022年7月に創業しました。
【会社概要】
社名:KGモーターズ株式会社
本社所在地:広島県東広島市志和町七条椛坂 1698-1
代表取締役CEO:楠一成
事業内容: 超小型モビリティの製造・販売、MaaS事業
設立: 2022年7月
HP:https://kg-m.jp/
【採用情報】
車体開発エンジニア、ソフトウェアエンジニアのほか、様々なポジションで採用を強化しております。一緒にミッションの実現に向けて取り組んでくれる仲間を募集しております。
https://kg-m.jp/recruitment/